- 2021.07.03
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京都 魚々鶏夜
2013年にオープンした東銀座の平成オペラ座でスタッフとして働いていたヤスさん。
昨年2020年、別件で訪れていた京都で再会し、その後鹿児島でバッタリ遭遇。
何かとご縁を感じていたヤスさんが地元 京都で独立されるとのことで
ご相談をいただいた時はとても嬉しかったです。
場所は四条通りから御幸町通りへ下ったところ、更に細道の先の木造一軒家。
景観を守り、長屋や歴史ある木造建築で溢れる京都では
佇まいだけで魅力的な物件がごろごろと点在し、どこもかしこも素敵な雰囲気です。
ここもその一つで、プラス、繁華街に近いけど奥まっていて
よりその特性を活かせるような隠れ家的物件を見つけた!とのご連絡、
そのワクワクが伝わってきました。
エンターテイナーヤスさんの目指すオープンキッチン、板場と迫力ある鉄板、そして藁焼き。
人工大理石とカラフルなステンド照明、九谷焼が登場することや吹き抜けを生かした創り等
やりたいことは明白。こちらも楽しい空間のイメージが湧いてきました。
ふと「例えばあそこのお店の雰囲気が好き」と視察の席で話された時
これまで頂いた色々な情報がストンとまとまった気がしました。
そこは名店ですが、何といっても店主の存在が飛び抜けている。
内装云々というよりは、唯一無二の存在になろうとされている覚悟を感じた瞬間でした。
The Beatlesのワードも出たので曲を聞きながら線を引いたりもしました、楽しかったです。
和にとらわれすぎず、ヤスさんやスタッフさんが輝ける舞台
ワールドワイドなお店にしたいと思いました。
細かい使い勝手も相談しながら設計期間を経て工事に突入。
東京でお世話になっている工務店チームと厨房屋さんに
このお店にかける想いを伝え、応えていただけました○
解体すると古民家ならではの撤去NGの柱が数本現れましたがなんとか回避。
築年数もあるので補強もしつつ、理想の空間を目指して現場で知恵を出し合いました。
減額対象にしたくなかったタイル貼りと、木部塗装は自分たちでDIYに。
イブラヒモビッチも来てくれました。
タイルの量が割とあり(笑)、ヤスさんの友人で一緒にお店をされる
スタッフさんにもお手伝いいただき一緒に施工。
施工現場経験者の方で要領を把握されていてとても助けていただきました!
時間はかかりましたが味のある思い入れある仕上げができたと思います○
そんな工事期間も終わり2020年11月、ついに待望のお店がオープン!
その名も「魚々鶏夜」、一度聞いたら忘れられないWOW WOW TONIGHTです^^
ヤスさんはお兄さんのお店、酒菜米べゑも命名されたそうで
他にもいくつか命名されていて、印象的なワードセンスが凄いです。
入口にはあえてラフなタペストリーと、
店舗への細道は京都らしい行灯で足元の灯り取りを。
建物外部は既存の状態を活かしながら間口を大きく広げ
細道を抜けた先は入りやすいようにしました。
今回メインロゴの文字は陶芸家であるヤスさんのお父様が書いてくださいました。
洗練された美しい書体が赤い暖簾に鎮座しています、ぜひみてほしいです。
中に入ると板場を正面に、L字カウンターは人工大理石の天板に。
天板の小口、無垢材との納まりは現場監督さんの拘りの一つでもあります。
今回2段カウンターは設けずあくまでフラットに。ここも粋なポイントです。
L字の折り返した先には幅2mの特注鉄板、様々なメニューがここで披露されます。
一部どぶ漬けも創り、板場や鉄板で使用する食材達をディスプレイ兼冷蔵できる仕組みに。
厨房中央にアンティーク火鉢を再利用した藁焼き場を設置しました。
ステンドグラスのペンダントライトはオリジナルトゥナイト仕様で、
ガラスのカラーと模様も拘って選定されて全て異なる配色に。
個性が光りとてもかわいく仕上がっています。
2階にあがる階段にもポイントでステンドグラスを。
修行された平成オペラ座、ヨコスカヒバチ、酒菜米べゑ、魚々鶏夜が並びます。
2階も既存の壁等を撤去し広々とした空間に。
ご家族や宴会にも対応できるテーブル席をご用意しました。
1階の厨房が見える吹き抜けは、迫力あるダクトの合間から顔を見せて
厨房とやりとり可能、1階の賑やかさも伝わってきます。
1階のドリンク場の奥には和模様の開口を創っていただき開閉式に。
堀席の個室で、他の席とはまた異なる雰囲気を纏った空間になっています。
落ち着いた色合いですがラメのような光沢感ある壁塗料を採用しました。
そんなトゥナイトでは新鮮なお刺身魚介類、鰹の藁焼き、鉄板料理をメインに
季節の食材を取り入れた楽しく美味しいメニューが豊富です○
お皿にも拘っているので併せて楽しめると思います!
コロナも少し落ち着いて営業再開される店舗も増えてきました。
魅力的な店舗が多い京都でも、ひと味違ったお店になっていると思います。
地元の方にも観光の方にも長く愛される場所になってほしい。
ぜひ、京都に行かれた際はお気軽に魚々鶏夜へ。
美味しく楽しい特別な時間を過ごしていただけたらと思います!